マイクロソフトOfficeの料金改定のアナウンスがありました。
旧14,900円から新21,300円(Personalの場合)へと40%以上の値上げです。
背景にはAIツールのCopilot搭載があるようですが(参考リンク)、「最近、似たような話があったな」と思ったのが、iPhone16eです。こちらもAppleの独自AIに対応するためと、Appleストアの最安モデル比較でSE3の62,800円から99,800円へと、なんと60%近い値上げです。
正直、老眼真っ盛りの私には、電話とメールの確認、LINE、キャッシュレス決済とマップ機能くらいあれば十分です。SEの後継を期待していただけに、目下、iPhone7を握りしめながら路頭に迷っています。
気づけばGoogleのサービスでもあちらこちらにAIが搭載されるようになりました。
私は文章書きがほとんどのため、AIについては、参考にはなっても裏取りが大変なので、基本的に使っていません(これも老化だと思いますが)。
無料プランではすぐに上限に達してしまいますし、サブスクするほど便利だという実感がないのが実情です。
私の老け話はこれくらいにして。
巨大テック企業が、新興勢力とAIの覇権を競っていることはわかっていても、これだけの費用負担をユーザーに強いることに驚いています。これはつまり、AIの投資にそれだけのコストがかかるということで、設備だけでなく人材にも相当の費用を振り分けているのでしょう(推測です)。
きちんとしたコンサルor投資家なら、ここで各社のIRや財務諸表を読み解くのでしょうが。
現在の私は、どちらかというと「AIなんていらないよ」な側の人間ですが、かつてPCが出始めた頃に個人でPCを所有することはなかなか想像できませんでした。しかし、それが当たり前になるまで10年はかからなかったと思います。携帯電話も然り。
そしてそれらが一人一台になる過程で、DellをはじめとしたBTOや日本の家電メーカーのブランドPC、台湾勢の廉価PCなどが隆盛を極めましたが、今ではすっかり淘汰が進み、数ブランド(いや、10以上はありそう)を残すのみです。
携帯電話に至っては、国内ではガラケー、海外ではNokiaやBlackBerryなどのブランドがスマホ(実態は電話「も」できる小型PC)の登場で淘汰され、同じ道を辿ります。
こうした淘汰はあっという間に進みました。そして生き残ったブランドは何か。
それは、非常にざっくりと言うならば、少なくともオリジナルのコンテンツを作っていた企業だと思います(大事なところが本当にざっくり)。
ちなみに「スマートフォン」というネーミングは絶妙で、「フォン」としたことで、携帯電話の代替であることを印象付けられたのだと思います。もし、「携帯PC」としていたら、携帯電話からの置き換えは、これほどの速さで進まなかったのではないでしょうか(これこそがジョブス最大の発明かもしれません)。
最近、メディアを騒がせているホンダと日産の統合もその背景は同じでしょう。
ガソリン車、Fun to Driveから、コネクテッド・モビリティへの転換、その実態はもう「車ではない」かもしれない。いやいや、モビリティだって生存の保証はありません。そのための莫大な投資を必要としているし、各社は非常に焦っている。
我々ユーザーは、おそらく5年後くらいにAI等によって起こった変化を当たり前のように享受しているのでしょう。その時に生き残っているブランドは何か。
これはPCやスマホ、自動車に限った話ではありません。小売業もサービス業も同じではないでしょうか。そして、生き残るためのオリジナルコンテンツは何でしょうか。
もしかしたら、AppleもMicrosoftもNokiaのように衰退しているかもしれませんし、ホンダ、日産はおろか、王者トヨタやセブンイレブン、あるいはAmazonですら存在していないのかもしれません(仮の話ですが、関係者のみなさまは、どうぞご容赦を)。