「具体⇄抽象」トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問
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細谷功 著
会議などで議論が噛み合わない。そんな時に「抽象(頂点方向)⇄具体(底辺方向)」の三角形を思い出すとそれぞれの「現在地」と「ずれ」を共有できそうです。べき論やそもそも論は抽象度が高く、方向性を示すもの。これ抜きに物事に着手するのは地図のない旅に出るようなものです。旅ならそれも楽しいですが、商売となればそうも言っていられません。一方で、べき論やそもそも論ばかりを繰り返していても旅は始まりません。そうしたことを客観的に捉える視点を持つことができます。
著者は、この三角形の縦方向の視点の重要性を説くと同時に、世に蔓延する横方向(のみ)の視点とのギャップ解消の困難さも説きます。しかし、例えば閉塞感を乗り越えるには縦方向の視点が必須です。なぜなら、横方向の視点はある抽象概念の下にあり、この抽象概念を更新しない限り、新たな横方向が生まれないから。
また、本書の内容ではないですが、三角形を用いると、自社のビジネスを評価することにも役立ちそうです。例えば、品揃えについて、底辺に向かうほど「よろず屋」として、頂点に向かうほど「専門店」となります。自社はどの階層で事業を行うのか。その階層のリスクはどうか。あるいは、DXや生成AIで代替しやすい業務はどの階層にあるのか。そうした客観視にも役立ちそうです。

